大島紬のショートコート

初めまして、ギャラリー「ポマル」の水谷と申します。着物をドレスやクッションなど、あらゆるアイテムにリメイクする仕事をしております。日本の伝統美を、洋へ変換することで新たな和モダンに生まれ変わる感動を、皆さまにお伝え出来ればとファッション日記を担当させて頂く事になりました。 


第1回目の作品は、写真の大島紬のショートコートでございます。この大島は、母の着物でした。ほとんど袖を通さずに箪笥に眠っていた着物です。きっと、皆さまのお宅にも大切に保管された着物が沢山おありではないでしょうか? 大島紬のシャリ感と光沢が高級感をかもしだし、裏もご覧のようにつけ下げの柄をおしゃれに配置致しました。着心地の軽さと、シルクのむれない暖かさが嬉しいですね。

 

私自身50代の更年期から、化繊にストレスを感じるようになりました。そんな中で、着物シルクに出会え、染色の素晴らしさや肌に感じる優しさに癒されております。

 

もう一つの発見が、着物で洋服を作りますと、どれも上品に品格が出るということです。お召し頂くと、きっと実感していただけると思います。


今回ご紹介の作品はパンツやロングスカートに良いバランス丈でございます。もちろんジーンズにもお召しいただけます。着丈、袖丈が少し長目のものも、現在制作中でございます。
お襟の形は襟を立てますと、御顔がシャープに見えるように、またマフラーをアレンジしやすいデザインにしてみました。


表の着物と裏地になる着物のハーモニーを考える楽しさは、昔羽織にヒントを頂きました。

私の今の仕事での一番の喜びは、世界に一つしかないファッションをおめしいただく方のご希望にそいながら、制作出来ることです。そこには、良い意味での緊張と楽しみがございます。


そしてまた、ボタンでガラリと印象が変わります。NYから、コート用に沢山購入して参りました。この大きなボタンもその一つです。今は、ボタンから着物を選んでみようかとも考えております。


次回は、紗の羽織から生まれた素敵なボレロをご紹介したいと思います。ご一緒に楽しんで頂けましたら、幸いです。今後とも、どうぞよろしく。

 

2010.11.11