装うということ
昔、フレンチ・ヴォーグのページを初めてめくった時、ドキドキした。
行ったこともない外国の風景の中で、ポーズを決めて空を仰ぎ見るモデル達の装いに自分を重ねたりしながら、気分は女優になった。
50歳を越えた今も、常に美しく新鮮なアイデアのファションに遭遇すると、年齢も状況も無くときめく。そしてそれは、あの若い日と変らぬエネルギーを与えてくれる。
それが、年齢を重ねて更に雑誌の中のモデルたちとはかけ離れた体型になってしまったとしてもなのだ。
この「50’s モード」では、ボンジュール50'sの読者のみなさまと、本当の意味での大人の女性の装いについて、新鮮で美しい情報を共有できたら...と、このコーナーを担当させていただくことになりました。
第1回目のテーマは、コーナーの真髄「装うということ」。
あえて、理由付けする必要のないこととも言えるこの日常的な行為も、ちょっとした意識や視点の角度を変えると、日々のエナジーソース(エネルギー源)となり得る。決して特別なコーディネイトを考えなくても。
ここでご覧いただくファション・フォトは、次回より具体的なテーマにそってセレクト・アップいたします。今回はこのコーナーでご紹介する全体的なイメージをもとに選んでみました。同じシャツもいつもと違ったアクセサリーやスカーフを加えることによって、またNGだと思っていた柄同士の組み合わせも、トライしてみると嘘のように新鮮に活きてきたり
似合わないと思っていたアイテムが口紅の色を変えるだけでイメージが変わる。ボタンを一つ深く開けることで、エレガントになり、しっくり馴染み素敵になる。ヴォーグの世界が雑誌の中だけでないことを実感する。
なんと言っても、私たちには若い女性がもてない、歩いてきた、積み重ねてきた深みが、装いに雰囲気を与えるのですから。
2013.6.19