星空散歩でアンチエイジング

秋過ぎて、空気の透明度が高くクリアになってくると、空を見上げるのが断然楽しくなってくる。一年のうちで星たちが一番美しい輝きを見せてくれるようになるからだ。じっと眼を凝らしていくと東京の空にも驚くほどたくさんの星が、両手を伸ばして掴みたくなるほどに煌めいているのにハッとしたりする。歌のせりふじゃないけれど「星降る夜に〜」って口ずさみたくなるような素敵な空もあるのだ。

 

子供たちが小さい時、一緒に夜空を見上げ、「ほら、天の川の上に織女星と牽牛星物語のベガとアルタイル、それとデネブを結ぶ直角三角形は夏の大三角」、「ぺテルギウス、プロキオンと抜群に青白く明るいシリウスは冬の大三角」、そして仲よく並ぶオリオンの3つ星などを見つけては宝物を探し当てたかのように嬉しがっていたことを思い出す。

 

星座早見盤
星座早見盤

息子たちが成長するにつれ一緒に空を見上げることも無くなってきたけれど、私はそれ以来20数年、当時からの星座早見盤を傍らに携えて、星たちの名前と場所をみつけ、星座をつなぎ、流星を探し、何も考えずにただ心躍らせて星空散歩をすることが楽しみとなった。星空の中を散歩するなら、どの様な格好でもどんな時間にでも、好きなようにふらふらしたって勝手に妄想したって誰にも迷惑掛からない・・・。

 

5000年前の古代人はこの夜空に燦然と輝く星星を結んで星座の姿を作り、ギリシア人はロマンティックな神話を加え、夜空のキャンバスに夢広がる80以上もの星座群を描き出した。知的で優雅にその星座たちは今も人々に様々な楽しみを与えてくれている。何万光年も前に宇宙に漂うガスとちりから生まれ放たれた光が、ちりばめられた宝石のようにキラキラと美しき世界を魅せていても、今この目で見えている星が実はもう爆発して無くなっているかも知れないという気の遠くなるような奥深き不思議な宇宙。

 

恒星の中でも、青白い星は元気いっぱいの若もの、赤い星はかなりお歳を召した星という、人生も(星とはスケールが違いすぎるけれど)生まれてから燃えて燃えて、様々な経験と共に、ゆるぎなく、最後は赤味を増して燃え尽きるような生き方が出来たら素敵だなあと思う。そして、1等星ではなくても、さりげなくエレガントにきらっと神秘的に煌めく小さな星・・・なぜか気になって目が離せなくなるような存在。これから年を重ねていく私にとっての目標としたい憧れの姿なのではと思うのだ。 

 

空を見上げると、これは忍び寄る年齢と共に気になる首筋がぴぃ〜んと伸びて、効果的なストレッチになっていると気付く。うつむきがちで曲がりつつある背筋を伸ばして、ぐぐっと空を見上げてみよう。さらに星を眺めることで疲れた瞳には安らぎと癒しで、魅力的なまなざしに! これはきっと効く。

 

2010.12.20