Docteur Nadine FERMOND ナデイン・フェルモンド女医

10歳若くみえるために、、、(2)

Botox注射は表情筋の動きを抑制して、シワを目立たなくする。食中毒を起こす神経A型ボツリヌス毒素から抽出されて、神経から筋肉への情報伝達をブロックする働きがある。アラガン社(アメリカ)の登録商標薬剤名が一般化した。


額の横ジワ、目尻のカラスの足跡などに著しい効果がある。3日から2週間で効果が現れて6ヶ月位は持続する。最低4ヶ月の間隔をおいて、何回でも注射が可能。


---- 注射効果は肌の色には関係ありませんよ、アフリカ人も日本人にも同じ効果よ。でも、断然シワの少ないアジア人は、レーザー光線でシミをとったり、顔のニキビ跡にヒアルロン酸注入をすると、肌のくぼみが少しずつ元に戻るので、その方の治療を受ける人が多いの。----

インタビュー中とその前後に、なんと3人の男性が待合室に座った。男性側の美容エチケットもここまできたか!!


---- 私のところは10%くらいが男性客。客の年齢は男女とも18歳から75歳と多彩。男性はシミ(老人斑)やニキビ跡の治療、濃すぎる体毛(腕、脚、腹、背中等、毛深い男女が意外に多い)をレーザー光線を使って抜毛、 腹や脚のブヨブヨした脱脂・痩身が主で、夫婦そろってシワ治療という人もごく稀にはいますね。----


男に「シワとり」されたら、女の立つ瀬がないではないか!!

若い人はアクネ跡が気になるのだろう。やはり妙齢の女性客が多いそうで、私が会見アポを待つ間、治療室から賑やかな笑い声がしていた。1時間待たされた後に出てきた女性は40代と思われるスラットした美人。「常連のようですね。あんなに若くてきれいなのに??」


--- 彼女ね?ブラジル人の女医さんよ。全身の隅々まできれいでいたい執念よネ。こうしてくれ、あーしてくれと細かく注文されるのよ。----

 

日本人が真夏に長手袋までして日よけしているのと同じ位、目元のクマやシワが増えるのを気にしているマニアックな女性も結構いるらしい。 シワ予防リフトは、首や最近の胸を大きく開くモードのせいで、徐々に広域になってきた。盛り上がる自慢の乳房のくぼみがシワシワでは悲しい。


コレはレーザーやBotox、ヒアルロン酸注射を併せて(TITANと呼ぶ治療)、皮膚深層コラーゲンの活性化で矯正できるとか。数回の通院が必要になる。

 

ヒアルロン酸注入とは、人間の皮膚や軟骨に含まれているムコ多糖の一種をバイオテクノロジーで製造できるようになった。 細胞と細胞の間を埋めて、肌の中から皮膚を押し上げるような効果がある。保水力が高いので、皮膚のハリを保ち約1年で分解吸収される。 眉間、鼻や口周りの溝を浅くし、目元のたるみ、あごや唇の線が変えられる。厚くセクシーにした唇が気にいらなくなったら、分解酵素で元に戻せるまでになった。

 

フェルモンド医師の場合、顔のシワ・リフトには上記の二種を併用して1回の治療とする、額や目尻にBotox、頬からあごにかけてヒアルロン酸を使うのが一般的。美容整形手術は別分野の免許が必要になる。良心的な仕事を遂行するのには、美容皮膚学会で進歩する情報を学び、アトリエ実習見学を含めて年3、4回は同業者間で勉強会がある。年1回の国際会議は各国研究者の講演や、会場国が変わる毎に、土地の人々を実地に観察できるという出会いの場を提供してくれるので、参加者が多い。

「私だって、若くみられたいから、同業の友人とお互いに注射をして分析し合うのよ。我が自己体験の上に立って客と向かいあっているわけよ。“女性の永遠の願望”を助けているのかも」

 

顔の表情が老け込むのを防げるなら、心も晴れやかになれる。結構な世の中になったものだ。

 

 

2009.11.13