活動的な実力派女優-マリオン・コテイヤール(Marion Cotillard)

「ピアフ〜愛の讃歌」でアカデミー賞、セザール賞、ゴールデングローブ賞と各国映画祭で主演女優賞を総なめにしたマリオンは、両親共が芝居をしていたので、子供の時から舞台をふみ、オルレアン演劇学校を首席で卒業した。

エデイット・ピアフの淋しい老年までをとことん演じた根性は、賞に値した。16歳から映画界デビューを果たし、今は39歳。 青い瞳、栗色の髪、身長169cm。

5年来のパートナーである、俳優兼映画監督ギヨーム・カネとの間に2011年に男の子を出産した。 穏健で優しい笑顔の彼は、親が経営する馬の調教場で、幼い頃から馬に親しみ、かなりの騎手らしい。

何処に出掛けるにもカメラのフラッシュがついて回るスター・マリオンは、ご本人がその状況に舞いあがっていないのは見上げたものだ。

環境保護グリーンピースのメンバーでもあって、時にジャーナリストが大勢の中にまぎれているのを見つけて写真を撮られている。 音楽好きなマリオンは、国内外の撮影にもギターを背負って空港に降り立つ。徹底して探究心のある彼女は、”女優”として、失業者、老け役、障害者役までもこなして来た。婦人雑誌のインタビュー等でも、集中力、的確、反骨心、正直さが発揮される。 「政治は何処へ我々を導こうとしているのか。世界の動向は、展望のない自殺行為に走っているとしか思えない。市民一人一人が変わっていかなければ世の中はかわらない。」考えている事をはっきりと言う。

勿論「女」として、美しくあることにも熱心で、いつも何かを学びとろうとするようだ。

「Diorのアドバイザー・スタッフ契約をして、モードが自己表現の一種であり、創造性あるアートなのだと肌で分かる様になりました。」

「私の若さや美しさを長持ちさせるやり方??自然のエネルギーが感じられるような場所をさがして、海辺に近い林の中(Ferrer岬=ボルドーから西の太平洋側)に家を持った事かしら?

心身が休まり活力が湧いてくるような気がする。」

「仕事が上手くやれるかどうか、いつも不安を感じて、ZENではいられない。今のところ私には化粧品よりも、大気が私にハリを与えてくれると感じています。」

グレタ・ガルボのような神秘的優美さに心酔しているというマリオンの未来が楽しみだ。

「心を占めている言葉は”助け合い”。私はいつも、何かを恐れていて、反抗的であることにエネルギーを使っていたけれど、それから抜けだせた時、すべてに肯定的になれた。母が精神面で助けてくれて、幸せを感じられる様にしむけてくれた。」 15年前に遡る彼女のインド一人旅は、マリオンに”微笑む”美しさを知らせたのだろうか。

 

2014.10.2