かぐや姫

今、公開されているアニメ映画「かぐや姫」のCMキャッチコピーが“姫の犯した罪と罰“これが気になっていました。映画を観た友人に感想を聞くと、90%昔話の内容と同じだと言うのです。そこで家にあったかぐや姫を数十年ぶりに開いてみると、深い内容はすっかり忘れていて、読み進むとなかなかオトナな内容で子供にはどのように感じるお話なのかと考えてしまうものでした。家にあったその本には親用に物語の解説が載っていて、その罪と罰らしきものが書かれてありました。姫が月で犯した事の罰として、期限付きの地球での暮らしをさせられたらしいのです。しかし姫にとっては思いのほか地球暮らしは罰にはならず、居心地のいいところであったと言うことなのか、それとも悲しい別れをさせることが罰なのか色々と考えさせられるところです。姫は美貌ゆえに地球滞在中にも何人もの男たちを惑わす罪深い所があるのですが、月の世界で犯した罪もそのようなことかもしれません。

かぐや姫は桃太郎や笠地蔵などのように、人のためになったりご褒美をもらえたりとよくある昔話とは違い、平安時代に書かれた竹取物語の再話であり、昔話ではなく物語文学の傑作と書かれてありました。美しい満月の夜に何とも情緒的な別れをしなければならないつらさを描いているようです。 30年も前に私は母として子供に読み聞かせた時にはきっと、「かぐや姫は月に帰ってしまったね」なんて軽くいいながら親子で何の疑問も持たずに読んでいたのでしょう。そして今、こんな気持ちになって読み返すことができる「かぐや姫」はやはり傑作なのでしょう。この年齢になって、読んでみるのも楽しいものです。

今回の篆刻は今の季節に合わせて「雪輪」です。 雪輪は雪の結晶を文様にしたものです。よく和服の柄として冬に登場しますが、夏にも涼しさを演出するということで見かけます。 今年は一段と冷え込む日が続いています。今が冬のピークでしょうか、春にはこの積もった雪が解けて消えるのかと疑うほどの積雪です。そんな季節に春を待つ気持ちいっぱいに、水仙が描かれた絵はがきに雪輪の印を捺してみました。


前に一度、皮革製品を作りましたが今回も再度挑戦してみました。 ネットショップで見つけためがねケースを見て、ひょっとして作れそうかなと思いチャレンジです。ネットの商品は皮の裏側に直接個性的な柄がプリントされているものでした。

私はそのような訳にもいかず、アイボリーの皮革とプリント柄の布を合わせて作ってみました。チャコールグレイの皮ひもの先にビーズを下げたものを付けて完成です。今は手芸店で全てが揃い、手作りできない物は無いように思います。そんな訳で私が行く手芸店はいつも盛況です。


 

2014.2.12