孔子いわく、知識や言葉より、行動をおこすこと

今、陽射しに輝く庭の緑が美しい。花よりも葉モノで庭を造るのが好きです。緑の葉はそれぞれ形が違い、色が違い、厚み輝き感触も違う、何もかもが少しずつ違う。数え切れないほど緑が重なり合い、その中に控えめに花がポツリポツリと咲き、自然の美しさに感動する季節です。昨年まで一番元気よく大きく育っていたバラのひとつが枯れ、この際、花モノは増やさず極力緑に囲まれようと思っているところです。

今、ブラジルではワールドカップの真っ只中、日本はご存知のような結果でした。少し前に、TVで「弱くても勝てます」という高校野球のドラマをやっていました。ドラマの内容は良く知らないのですが、このタイトルを見て日本代表もひょっとして勝ち進むのではないかとささやかな期待をしていましたが、力及ばずの結果となりました。世界の高速スーパープレーを見ていると、ただただ驚くばかり。闘いとは、サッカーとは、このようなものなのかと思い知らされます。

今回のNHKサッカー放送のテーマ曲は椎名林檎の「NIPPON」。この曲が流れると反射的に、あっサッカーが始まると思うのですが、気もそぞろな歌い方と歌詞が良く聴こえてこないのが気になるのです。4年前のテーマ曲、Super Flyの「魂レボリューション」は妙に心を揺さぶられ熱くなりました。「♪スタンドアップ! モンスター 頂上へ 道なき道を 切り開く時 スタンドアップ! ファイター とんがって going on. moving on 戦いの歌 未知の世界へ タマシイレボリューション…」と歌い出す小さなボーカルは力強く、まっすぐにその歌声は心に入ってきました。だから4年前は1次リーグを突破できたともいえませんが、サッカーファンはこんな些細な所もつつきたくなるのです。この歌はすっかり私のお気に入りとなり、今では掃除をする時のテーマソングとなり、やる気が起きるのです。もう日本戦に一喜一憂することもないので、世界のサッカーを満喫しワールドカップを最後まで見届けるつもりです。

今回の篆刻は「楽之者」です。 論語(孔子と弟子たちとの問答)から3文字です。孔子曰く、「知っているだけでは、これを好むことには及ばない。好むということは、これを楽しむことには及ばない」とあります。知識や言葉より行動を起こす事にはかなわないということでしょうか。 印材は2.5cm角のいつもの巴林石(ぱりんせき)に、刀法は「軽重法」という中心を軽く細い字体にし、両脇に行くにしたがい重く太い字体に変わっていく技法を使っています。青が美しい茄子の絵はがきに捺してみました。


手作り品は再度皮革製品です。印を作るとそれを収納する印箱が必要になりますが、それは手作りをするか既成のものを買うかの選択になります。その印箱を作る作業は細かく、苦手です。そこで切ってミシンをかけるだけの、この青い皮革の印ケースで間に合わせる今日この頃です。印箱に入っている重厚な姿とはあまりにも違い、中に印が入っているとは思えないカジュアルなものです。


 

 

2014.7.8