美しい十勝平野

6月下旬、数年振りに大好きな十勝へ行ってきました。行くたび、広く美しい緑の十勝大平原が両手を広げて歓迎してくれているような気持ちになります。

 

まずは、イチ押しの帯広「真鍋庭園」へ。ここを初めて訪れた時は衝撃の感動でした。どこまでも広がる針葉樹の深い森に包まれる庭。針葉樹に、こんなにも多種多様な種類があることに驚かされます。

 

そして外せないのは、帯広から車で40分ほどの所にある中札内美術村。ここは、柏の葉が風に揺れる広い森の中に4つの美術館が点在し、ちょうど訪れたときは柏の足元に一面スズランが咲き、森じゅうが優しい香りに包まれていました。

 

そんな森の中に、日本画家の小泉淳作美術館があります。絵画を観る前に館内で20分ほど、最近の小泉さんの制作風景をDVDで拝見しました。現在86歳のご本人は作品、生き方、風貌、文句なく素晴らしく、感嘆させられました。その後、じっくりと素晴らしい作品の数々を鑑賞。大きな冬瓜を描いたものがあるのですが、これを見たイサムノグチは「この中には神がいる」と言ったそうです。私もじっくりとその絵に向きあいましたが、怪しげな光を放つ不思議な迫力を感じました。もちろん作品も素晴らしいのですが、DVDに登場するご本人のお話に魅かれた私は何故か画集ではなく、分厚いエッセイ集「アトリエの窓から」を手に入れてしまいました。知れば知るほど魅力溢れる日本画家に、いま夢中になっているところです。

そして、この美術村には地元の農作物を使った四季折々の家庭料理を味わえるお気に入りのレストランがあり、いつも私はお昼に合わせてこの美術村に入ります。どこまでも続く、十勝平野の田園風景はゆったりと気持ちを静めてくれます。


今回の篆刻百名山は、日本を代表する山「富士山」を刻しました。日本一の富士山は他の山を寄せ付けず凛とそびえ立つ、美しい日本のシンボルと言うところでしょうか。また、晴れた日の都心から小さく見える富士山は、何とも日本を感じさせてくれるものです。

今回の篆刻は、「軽重法」という中心を軽く細い字体にし、両脇に行くにしたがい重く太い字体に変わっていく技法をとっています。山という字も面白いデザインになっています。今回、先生は「富士山か…」とおっしゃって、石の側面にいとも簡単に富士山を刻して下さいました。

 

今回の手作り品は、ブックマーカーです。街で見かけたものを参考に、少しアレンジ、さらに単純に作ってみました。ひもの先に好きなチャームを付けただけですが、ゆれるチャームが楽しい気持ちにさせてくれます。イサムノグチが絶賛した冬瓜の絵が表紙になっている、小泉淳作エッセイ集にも使っています。

 

2011.7.20