ウツギと共に蘇れ!

毎日暑い日が続いている。あまり大きな声で言いたくはないが、昨年あたりから暑さに苛立つ自分を認識し出したのだ。その前の年あたりまでは、自分の体温より高い気温を「まるでお風呂に入っているみたい!」などと言って楽しむ余裕があったのだが、昨年あたりからはそんな余裕などどこにもなく、仕事の予定のある日は、前日から禁酒、禁遊、禁暴食で、ひたすら体力の温存に努める日々。花の50代女性だというのに、秋風が吹く日を指折り数えて待っているのだ。

 

そんな毎日の中で、唯一の楽しみといえば植木の世話だろうか。アパートのベランダで夜風に吹かれながら、植木に水をやっていると、こちらまでみずみずしく元気になったような気分になる。じつは、この猛暑の中、南向きのベランダに置かれた植木鉢の中の土は、水をたっぷりやってもカラカラに干からびて、枯れ葉もちらほら出はじめ困っていた。昨年の夏は朝夕二度の水やりをしてしのいだのだが、今年はその時間が取れないのだ。三日ほど日陰においてみたのだが、風の通りが悪いのか、よけいに枯れ葉が目立ちだしてしまった。いくら水をやっても、すぐに鉢穴へと流れ出してしまうのだ。植木鉢を観察し、鉢の中に水を溜めておくには土を増やしたらいいのではないかと思い、一昨年に地域のお祭りの手伝いの時にウツギの鉢植えと一緒にいただいた腐葉土を鉢の土の上にたっぷり入れてみた。

腐葉土

結果は大正解だった! 植木鉢に入ったフワフワの腐葉土は、海綿のように水をたっぷりと吸って、しっかりと溜めておいてくれる。夜一回の水やりだけで、真昼の炎天下でも土の表面までしっとりと潤いつづけているのだ。そして一日か二日後に、気がつけばウツギの枯れ出した葉の間から新芽が出ているではないの!

 

苛酷な環境のもとでも、ちょっとした工夫で快適環境に転換できるという良い見本だと思った。それにしても、二年前にもらってきたウツギの鉢植えは、以前も枯れ、枝に水をやり続けているうちに新芽をつけていて、今回は二度目の蘇りなのだから健気なヤツなのだ。私も暑い暑いとうだうだ言っていないで、何とか転換して蘇りたいものだ!

 

 

2011.7.26