リンゴを毎日食べよう、ステキなおばあさんになるために。

いつのころからか、私は「ステキなおばあさん」に熱烈に憧れている。

ステキなおばあさん風の女性に、街ですれ違えば振り返って後ろ姿を眺め、電車内で見かければ、気づかれないように幾度も見つめ、ステキなおばあさんどうしの会話は、耳をダンボにして聴いている。

また、街や電車の中などできれいな顔だちのおばあさんが口紅もひいていらっしゃらないと、「口紅だけでもひいてくださいな」と、とても残念な気持ちになり、顔色が暗く見える色合いの服装のおばあさんを見かければ、「もう少し明るい色のカーディガンをお召しになったらいいのに」などと、おせっかいにも思ってしまう。

そもそも「ステキなおばあさん」の定義とは何か?と問えば、まず第一は「こざっぱりしていること」と私は答える。

恵比寿駅近くの八百屋さんの奥さんは、なかなかステキな方だ。おばあさんとは、恐れ多くて呼べないが、吉永小百合さんの少し上くらいの年齢と思し召す。

眉を整えただけの素顔に、真っ赤な口紅をひき、髪をひっつめたエキゾチックな顔立ちは、昔、一斉を風靡した、モデルの立川ユリさんを思い出させ、スピーディーでサバサバした立ち居振舞いは、夏木マリさんを思わせる。

「お肌がきれいですね!」と声をかけさせてもらうと「リンゴを毎日食べてるの」と教えてくれた。ちなみに、私も毎日リンゴ1個を丸かじりしているが、彼女のような素肌美人にはなっていない。顔立ちの美しさも、素肌の美しさも、近づくための努力はするが、実現はなかなか難しい。それにしても、スイスイと仕事をこなし、一人一人のお客様に明るく声かけをしていく姿は、お店の外から見ているだけでも気持ちがいい。

j-wave.co.jp/blogより
j-wave.co.jp/blogより

そういえば、夏木マリさんのラジオ番組を聴いていて思うのは、なにごとも「アッハッハッ!」と笑い飛ばしてしまう「さっぱりとした感じのよさ」だ。 番組のタイトルが「夏木マリ・丈夫も芸のうち!」というからには、よほど丈夫な方なのだろう。

夏木マリさんは、まだまだおばあさんではないけれど「丈夫=健康」も「ステキなおばあさん」の定義に入るに違いない。

三省堂国語辞典によると、「さっぱり」とは、「汚れやつかえたものなどがなくなって、気分がいいようす。あとまで強い味を残さないようす。今までのことにこだわらないようす。」とある。

「汚れもつかえもなく、後味よく、こだわりもなく」をどことなく感じさせる身なりや立ち居振舞いって考えると、ほんとうに軽やかなイメージが湧く。

そんな「ステキなおばあさん」を目指していきたいです。

 

 

2014.3.24